遠の音
遠くに落ちる音を、聞いて紡ぐ
2008.12.03
2008.08.12
黄昏、と優しい声に呼ばれてふと目を覚ます。彼女を覗き込むようにしているせいですぐに目が合う黄玉に、ずっと見ていたのと批難を込めて眉根を寄せる。
けれどそれも長くは続かなくて、いらっしゃいと声をかけながらそっと手を伸ばした時には知らず口元が綻んでいると自分でも分かる。
彼はそれに少しだけ嬉しそうにすると手を貸してくれるので、甘えるように肩に額を寄せた。
けれどそれも長くは続かなくて、いらっしゃいと声をかけながらそっと手を伸ばした時には知らず口元が綻んでいると自分でも分かる。
彼はそれに少しだけ嬉しそうにすると手を貸してくれるので、甘えるように肩に額を寄せた。
2008.06.23
燕は昔から、兄のことが大好きだった。例えばあまり優しくなくても、例えば時にすごく意地悪でも、それでも燕にとって兄はどこまでも「偉大」だった。面倒そうにしながらも色んなことを教えてくれるのは兄だし、燕が困っていると渋々でも手を差し伸べてくれるのもやっぱり兄だった。
だから燕にとって兄の存在は絶対で、絶大で、逆らってはいけない唯一だった。
「兄者、兄者!」
今日もものすごい大発見を知らせるべく大声を上げて呼びかけながら兄のいる部屋へ飛び込むと、スリッパが飛んできて燕の額を直撃した。
だから燕にとって兄の存在は絶対で、絶大で、逆らってはいけない唯一だった。
「兄者、兄者!」
今日もものすごい大発見を知らせるべく大声を上げて呼びかけながら兄のいる部屋へ飛び込むと、スリッパが飛んできて燕の額を直撃した。
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